研究課題/領域番号 |
09450079
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
流体工学
|
研究機関 | 京都大学 (1998) 九州大学 (1997) |
研究代表者 |
小森 悟 京都大学, 工学研究科, 教授 (60127082)
|
研究分担者 |
嶋田 隆司 日本学術振興会, 特別研究員
長田 孝二 京都大学, 工学研究科, 助手 (50274501)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
キーワード | 物質移動 / 気液界面 / 乱流構造 / せん断力 / 温度成層 / 乱流拡散の相似性 |
研究概要 |
本研究は強いウインドシアーによる風波の崩壊を伴うせん断力の働く気液界面を通しての熱と物質の移動機構を明らかにすること、および、熱と物質の移動速度の間に成り立つ相似性について検討することを目的とした。具体的には、炭酸ガスと熱の移動速度を炭酸ガスの放散および熱の蒸発実験を風波水槽で行うことにより測定した。さらに、風波の崩壊に伴い発生する液滴および温度成層が物質移動に如何なる効果を与えるかを検討するため基礎的な室内実験および数値計算を行った。 本研究から得られた主な成果は次のとおりである。 (1) 二酸化炭素の移動速度の風速に対する変化は、多大の誤差を含んだ従来の測定結果とは全く異なっており、その変化は表面更新渦と微量の界面活性物質の効果を考慮することにより説明される。 (2) せん断力の働く気液界面を通しての熱と物質の移動速度の間の相似性は微量の界面活性物質の効果が波の激しい崩壊によりかき消される高風速域では成立するが、波の崩壊のない低風速域では成立しない。界面活性物質が熱移動に及ぼす減衰効果は物質移動に及ぼす効果よりも大きい。 (3) 高粒子レイノルズ数をもつ球形粒子に対する揚力と抗力の挙動は従来のモデルによる評価値とはかなり異なる。風波の崩壊に伴う液滴の運動を予測するためには液滴に働く揚力、抗力を正確に評価することが必要であるが、この評価法を提案した。 (4) 安定温度成層流中でのアクティブなスカラーである熱とパッシブなスカラーである物質と乱流拡散係数の間には、大きな違いがあり、従来のモデルのようにアクティブなスカラーである熱とパッシブなスカラーである物質の乱流拡散係数を同じとするとプルームの乱流拡散予測などにおいては大きな誤差が発生することになる。
|