研究概要 |
圧力センサーを内蔵した二次元角柱及び円柱から放射されるエオルス音の特性と,表面圧力変動の関係を実験的に研究して,以下の結論を得た. 1.角柱について 角の鋭い正方形角柱は,迎角が10°〜13°において,前縁剥離した流れが側面に再付着する.このとき,表面の圧力変動は最小となり,エオルス音も低下する.エオルス音はひとつの面が主流に正対したとき(迎角0°)に最大となり,再付着迎角で最小となる. 2.円柱について 円柱から放射されるエオルス音の特性は,円柱表面境界層が層流で剥離(Sub-critical,Re<3×10^5),境界層が遷移する領域(Super-critical,3×10^5<Re<10^6)及び乱流薄利の領域(Trans-critical,Re>10^6)で異なった性質を示す.Sub-critical領域では,圧力変動はスパン方向にほぼ一様で,エオルス音との相関性も高い.ストロハル数は約0.2である.Super<criticalに入ると,エオルス音が急激に減少し,ストロハル数は0.45に急増する.表面圧力変動はスパン方向に局所的にのみ高くなり,その部分のみがエオルス音との相関も高い.Trans-critical領域では,ストロハル数は0.2に戻る.表面圧力変動から予測したエオルス音と実測値は,Sub-critical及びSuper-critical領域では比較的良い一致を見たが,Trans-criticalでは予測値は実測値より10dB程度低かった. 3.エオルス音の低減法について 角柱の半分を半円注にした「かまぼこ型」は,半円注を主流に正対させると,円柱よりも10dB程度エオルス音が低下する.直径Dの円柱にらせん状に直径dの細いワイヤーを巻き付けると,d/D>0.2でエオルス音が減少する.このとき,らせんのピッチP/D>3のとき,特に効果が顕著である.
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