研究課題/領域番号 |
09450098
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金子 成彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (70143378)
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研究分担者 |
廣田 和生 三菱重工業(株), 高砂研究所, 研究員
渡辺 辰郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70011179)
毛利 泰裕 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (30010870)
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キーワード | 高速増殖炉 / スロッシング / 自励振動 / 流力弾性振動 / シェル振動 / 不安定性 / 連成問題 / 冷却系 |
研究概要 |
本研究では、わが国の次世代の原子炉の候補に挙がっている高速増殖炉(FBR)炉容器の3つの形式の炉壁保護系に関連した「流体と多重円筒隔壁との連成自励振動」の安定性解析について研究を行っている。 対象となる振動系は、上流タンク、多重弾性円筒隔壁、下流タンクから構成される。上流タンクに供給された液体は、円筒隔壁を越流して下流タンクへと流れ込む。その時に、越流特性、落下特性が複雑に絡んで下流タンクに自励的な液面揺動が発生する。昨年度の研究では、二重弾性円筒隔壁を対象として、特に、隔壁の頂上部を流体が越流する時の流量と越流高さとの非線形な関係、堰に沿って落下する流体の速度の流量依存性、上流側タンクと下流側タンクの間の液位差に基づく静水圧による堰板のたわみと液位差の非線形な関係を反映しつつ、実際のプラントのような多重円筒弾性堰構造をも意識して、実験装置を制作し、実験を行った。 その結果、二重薄肉円筒堰の場合についても、内側の円筒と外側の円筒が逆位相に振動する特徴的なモードを持った自励振動が発生することが初めて実験的に確認された。 これを踏まえて、今年度は、理論的研究を行った。円周方向定在波スロッシングが発生する場合について、二重薄肉円筒堰体系を対象に、上流側・下流側の液落差と供給流量をパラメータとして安定性解析を行い、安定限界線図を作成した。さらに、昨年度の実験結果と比較することで、理論の妥当性を確認した。この結果を論文にまとめて、学会に発表した。
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