研究課題
基盤研究(B)
感覚系については、感覚受容ユニットに対する電気刺激のモード(主に繰り返し周波数)と生成される感覚強度、及び、圧受容器に対する機械的刺激と神経線維に生じるパルス周波数との間の定量的評価を行うためのシステムの作成と、同システムを用いた解析、さらに、複数の感覚受容ユニットを同時刺激した際に、個々の受容ユニット刺激により生じる感覚がどのように相互作用を及ぼしあうかについての解析を行った。また、これらの結果を用いて感覚伝達システム(ロボットハンドの手指に装着した感圧ゴムセンサーに加えられた圧刺激を電気刺激の周波数に変換し、被験者の感覚神経線維に入力する事によって被験者に圧感覚を生じさせるというシステム)の改良を行ない、良好な作動結果を得た。運動系に関しては、マイクロニューログラム法を用いて、被験者の正中神経から遠心性の運動神経信号の計測を行ない、逆にこの遠心性運動神経を電気パルス列で刺激する事によって望む手指の運動を起こさせるという試みを行ったが、この神経刺激による運動系の制御に関しては、手首以下の正中神経中には運動神経の線維の数が多くないことや筋肉収縮の際に生じる筋電などのノイズの問題等により、まだ、成功症例数が少なく、現在、これらの問題の解決に努めている。電極に関しては、ポリイミドフィルム上にリフトオフ法によって白金のパターン層を形成し、カバーレイ層は液体ポリイミドをコートして、エッチングによって電極部を露出させるという方法を試み、この改良によって、より微細化と電極金属の生体適合性の向上が可能となった。長期安定、多チャンネル化、微細化、生体適合性を目標とし、種々のサイズ・形状の試作品を作成し、適宜ラットヘの埋め込み実験を行って形状などに関して設計へのフィードバックを行っている。電極と神経の接合部における神経再生促進因子塗布や人工シナプス素子などに関しても検討中である。
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