研究概要 |
1.視覚系と力覚系が正しく登録された仮想環境模擬システムの構築と複数ツールへの拡張 単一の遭遇型ハプティックデバイスで複数の仮想物体を模擬するためのデバイスの軌道計画法を確立した.仮想物体が存在する位置を頂点とする多面体と使用者の手との衝突問題ととらえることにより,効率的でかつ安全なデバイスの軌道生成が実現できた.また「見たものが触れるもの」を実現するために,オフライン処理ながらクロマキー処理を行い有効性を確認した. 2.技能動作の記録と技能伝達動作提示手法の評価 技能動作の伝達手法として,教師の視点の映像を提示し,さらに使用者の体の適当な部位に振動体を取り付けて理想動作からのずれを振動で提示する手法を新たに提案した.提案手法の有効性を実験的に検証したところ,教師の視点からの視覚提示は非常に有効であった.また,振動提示は特に視覚提示が不完全な場合に有効であり,技能提示において目の行き届かない部位での有効性が示唆された. 3.訓練/模擬システムの評価とまとめ 視覚系と力覚系が正しく登録された仮想環境下で,複数の仮想物体を扱う作業の模擬が違和感なく可能であることが分かった.また視覚または力覚を通して誤差の提示を適当に行えば,反復訓練により見本動作を精度よく追従できることが分かった.ただし効率的な運動技能伝達のためには,人間の技能の学習・認知の機構をさらに理解すべきであることが分かった.
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