研究課題/領域番号 |
09450110
|
研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
早川 正士 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (80023688)
|
研究分担者 |
太田 健次 中部大学, 工学部, 教授 (10131161)
芳原 容英 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (10303009)
|
キーワード | 冬期雷 / 正極性落雷 / 上層放電 / 電離層掻乱 / ELF空電 |
研究概要 |
日本の北陸地方では冬期雷が頻繁に発生し、電力伝送に大きな被害をもたらしている。冬期雷の特徴は正極性落雷で、しかも落ちる電荷量が極めて大きい事である。又、近年正極性落雷に伴なって上層(雷雲と電離層間)にて放電が発生し、上層での発生現象、電離層擾乱などが附随して発生することがわかって来ている。本研究では、これらの問題を総合的に議論しようとする。 そこで、北陸地方での冬期雷の時期(1998年12月〜1999年2月)に次の様な総合観測を行った。(1)愛知県田原町の蔵王山より冬期雷に伴なう、上層発光現象の光学観測、(2)名古屋中部大学ではオーストラリアNWC送信局電波の振巾・位相観測(発光現象(スプライト)に伴なう上層から下部電離層までプラズマ柱が形成され、それによる散乱波を受信する(トリンピ現象という))、(3)上層放電に伴なうELF波の観測(北海道・母子里観測所)。本年及び昨年度のデータ解析により、冬期雷の正極性落雷と負極性落雷に対する比較から次の事が結論された。(1)正極性落雷の方がトリンピ(電離層擾乱からの散乱)現象とELF過渡現象を誘発する可能性が高い(負極性の場合の約2倍)、(2)1月、2月のデータの比較から1月の方がトリンピ、ELF現象ともに多かった。これらの結果に基づいて、大気電昇形成に関する計算機シミュレーションを行いたい。最後、この様なゆっくりした変化の放電の伝送線路との結合も論じた。
|