研究概要 |
全超伝導発電機の設計法に関しては、概ね前年度までに概念的設計法の検討を終えたので、現在日本の国家プロジェクトで進められている界磁超伝導発電機の設計法確定に寄与することを目指してきた。回転子は二重ダンパ構造が一般で、それらの補強のため更に多層構造にする必要がある。昨年度まではこれらの多層構造ダンパの応力を考慮していない設計法の検討を行っているが、本年度にはこれらの三相突発短絡事故時の応力を計算する式を求めて導入し、最適設計化の段階に入り、3つの評価指数を設定して50MW、200MW、1,000MW級機の最適化を図った。しかし、この3つの指数は必ずしも同時に満たされず、トレードオフが求められる。従って、この設計機を電力系統内に設置した場合の事故過渡特性との突き合わせでトレードオフ関係を絞り込むことに成功した。また、これまで超伝導発電機の励磁・制御法として提案してきた定鎖交磁束励磁法と、従来の外部電源励磁法(定電流法)の特性に与える影響を、試作機を使って実験的にも理論的にも明確にでき、フラックスポンプの設計法確立にも発展させた。また、200MW級機のブラシレス励磁機の設計も展開した。本年度の上述の成果は、本研究課題の締めの年として、内外の学会での発表や、電気学会論文誌上を借りてまとめることが出来た。なお、未だまとめきれていない成果もあり、近々に内外に発表する機会を得たい。
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