研究課題
本研究は、3年計画の2年目にあたるから、本年度は前年度に実施した基礎研究の成果と研究準備に基づいて研究を進めた。1. 文献の検索及び収集 前年度に引き続き、九州大学大型計算機センターの科学技術データベースINSPEC-B及びCを使用して、インバータによって駆動された高速電車の粘着制御に関する最新の文献を調査した。そして、東京大学大学院、九州大学大学院、九州工業大学工学部及び東海旅客鉄道株式会社で、文献を追加収集した。2. システムの解析とコンピュータシミュレーション 前年度に確立した高速電車の運動方程式に種々の制御方式を適用して、動輪とレール間の粘着制御システムのコンピュータシミュレーションを行った。そして、これらの制御方式の比較検討を行った。3. シミュレータによる検証 2.の結果を新たに製作したシミュレータによって検証した。4. 主電動機の制御方式の検討 前年度に製作したインバータに新しく開発した制御装置を適用して誘導電動機を運転し、高速電車の主電動機となる誘導電動機の制御方式の検討を行った。5. 実験装置の設計 上述した2.〜4.の研究の成果に基づいて、インバータで駆動された高速電車の粘着力を、種々の運転状況の下で再現できる実験装置の詳細な設計を行った。なお、この実験装置の製作は高価となるために、その制作費を平成11〜12年度の科学研究費補助金・基盤研究(B)展開研究に申請した。6. 研究の中間まとめ 本年度までの研究成果を電気学会論文誌に1編、国際会議のプロシーディングに2編報告した。
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