研究概要 |
本研究では、本研究代表者らが発明・開発した超音波マイクロスペクトロスコピー(UMS)技術を半導体材料(GaAs,Si)とデバイス作製プロセスでよく使用されるエピタキシャル膜、イオン注入層、SiO_2等のアモルファス膜と材料基板表面の問題に適用するものである。 平成10年度の研究成果を要約すると以下の通りである。 1. システムの安定化:専用の自動試料搬送装置と自動給排水機構を開発し、恒温チャンバー内に設置されたUMSシステムと組み合わせ、長時間測定に対して高精度・高信頼性を達成し、繰り返し測定を可能にした。 2. 複素V(z)曲線解析法の開発:広い周波数範囲(100MHz〜1GHz)に対して測定回路、測定手順、解析手順について検討を行った。 3. LFBシステムによる薄膜/基板構造の音響特性(音速・減衰量)の測定手順と解析法を確立した。 4. 超音波計測によるGaAs結晶の組成評価法の開発:化学組成比の異なるGaAs単結晶基板に対してLFBシステムを適用し、その漏洩弾性波弾性表面波の速度の変化を検出した。また、それらの密度を測定した。 5. ボンド法を用いたX線回折装置による超精密格子定数測定法の確立:Si(111),(110),(100),(311),(331)に対して格子定数aを測定し、1×10^<-6>A以上の分解能を達成した。 6. 表面荒さとLSAWの伝搬特性の関係の解明の基礎実験:光学研磨した合成石英ガラスの表面を各種粒径の異なる研磨剤(#1000,#1500,#2000,#3000など)で荒らし、その表面荒さを共焦点レーザ顕微鏡で測定した結果とLFBシステムによって測定した音響特性(音速・減衰量)の結果と比較した。
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