研究課題/領域番号 |
09450124
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
長谷川 誠一 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (10019755)
|
研究分担者 |
猪熊 孝夫 金沢大学, 工学部, 講師 (50221784)
|
キーワード | 多結晶シリコン / 界面制御 / 結晶構造 / 基板のプラズマ処理 / 一軸配向 / エッチング効果 / 結合構造 / 表面モフォロジー |
研究概要 |
本研究の目的は、エッチングおよび基板表面の構造制御による、高結晶性多結晶シリコン膜の低温作製法の開発に関する研究を行うことである。前々年度での研究により、原料ガスにSiF_4を添加することによって、低堆積温度下で結晶化を促進できること、並びに種々の高周波電力を印加して発生したプラズマによって基板表面を処理したとき結晶性が改善されるという結果を得ている。今年度においては以上の研究成果を踏まえ、(1)原料ガスへのSiF_4の添加と同時に、水素を添加したときの結晶性の変化、および(2)基板のプラズマ前処理効果の温度依存性を調べた。(1)および(2)に対する結果として、(1-1)水素添加した試料の結晶性は、水素添加をしていない試料に比較して、低堆積温度側で顕著な改善が見られた。また、(1-2)水素添加していない試料においては、堆積後の試料を8ヵ月間放置したとき、膜中への酸素の混入(酸素汚染)が見られたが、水素を添加した試料においては、このような酸素汚染は全く観測されなかった。SiHおよびSiH_2結合に起因する赤外吸収信号の変化と共に、上記の結果は水素添加していない試料の結合構造は、ボイド・リッチになっていると推定される。一方、(2)基板のプラズマ前処理による結晶性の改善効果は、250℃以下の堆積温度下で顕著に見られることが判った。さらに、0.2μm以下の膜厚を持つ試料においては、プラズマ前処理には関係なく、650℃付近の狭い温度範囲で、結晶性は消失しアモルファス化するという新しい結果を見い出している。
|