研究課題/領域番号 |
09450128
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川上 養一 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30214604)
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研究分担者 |
藤田 茂夫 京都大学, 工学研究科, 教授 (30026231)
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キーワード | ワイドギャップ半導体 / 励起子 / 励起子分子 / 低次元構造 / 局在 / 時間分解分光 / 発光ダイナミクス / 顕微分光 |
研究概要 |
1. GaAs(110)劈開面上に成長したZnCdSe系半導体は、格子不整合に起因した歪みの緩和過程に面内異方性が現れ、表面にリッジ状のナノ構造が形成されることが明らかにされ、このリッジ上にCdSe極薄膜とZnCdSeキャップ層を積層させた構造から強い青緑色発光が観測された。この発光は、偏光方向の面内異方性が大きく、しかも蛍光顕微鏡観察によりリッジの頂点に沿った細線状の発光パターンであることが示された。平成10年度は、顕微フォトルミネッセンス励起スペクトル(顕微PLE)による電子構造の測定と励起子の局在深さの解析、強励起下における励起子の多体効果(励起子分子等)に基づく発光測定 光利得の異方性(量子細線に対して平行方向と垂直方向)に関する実験を行い、実際にCdSe極薄膜中に量子細線的な1次元的な電子構造が形成されているのかどうかについて詳細な評価を行った。 2. CdSeおよびInGaN低次元構造の発光機構を解明するため、パルス幅1.5ps(または100fs)のモードロックチタンサファイアレーザの2倍(350〜500nm)、3倍高調波(270〜330nm)を励起光とし、時間分解能2psのストリークカメラを用いて時間分解PL(TRPL)測定を行った。光励起により生成された励起子が、時間とともにどのように緩和し、局在準位内のどのレベルで発光するかのダイナミクスを測定した。さらに、励起波長を変化させることでサイトセレクティブに光励起を行い、そのときの各緩和、発光減衰特性を比較することで、非輻射再結合中心が量子井戸内および局在準位内のどこに位置しているのかについて評価を行った。
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