研究課題/領域番号 |
09450141
|
研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
皆方 誠 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (80174085)
|
研究分担者 |
野村 卓志 静岡大学, 電子工学研究所, 助手 (90172816)
石川 賢司 静岡大学, 電子工学研究所, 助教授 (50022140)
|
キーワード | ナノメータサイズ分極反転 / 大容量高密度メモリ / LiTaO_3 / LiNbO_3 / P-Eヒステリシスカーブ / 核形成しきい値 / 広がりしきい値 / コヒーレントディテクション |
研究概要 |
本年度は、試作した電子ビーム描画装置により微小反転ドットを作成した。選択エッチングにより反転形状を観察した結果、厚さ500μmの試料で最小直径670Aの反転形状を得た。ドース量を増加して描画するとドット径は大きくなり、やがて連続した直線分極ラインが形成されることがわかった。さらに、電子照射量と分極反転部分の面積は必ずしも比例していない。分極反転の「核形成しきい値」と「広がりしきい値」を新たに導入して、この実験結果をよく説明するモデルを提案した。 電界印加によりLiTaO_3上の分極反転ドットのP-Eヒステリシスカーブを測定した結果、元々の結晶の分極を反転する場合と、いったん反転させた分極をもう一度反転させる場合では、反転しきい値電界が異なることを示した。これは、上記の「核形成しきい値」と「広がりしきい値」に対応している。 AFM(原子間力顕微鏡)の探針に電圧を印加し、ピエゾ効果によって生じる振動の位相、振幅から分極像を画像化する、コヒーレントディクション法を提案した。分極反転したLiNbO_3資料を用いて、分極構造を明確に観察することができた。なお、振幅の情報を活用すれば、分極の深さ方向の様相(完全性)を調べられることが分かった。 ナノメータサイズの分極反転を実現するために、東北大学金属材料研究所との共同研究(変調構造材料)によってMBE(分子線エピタキシ)およびイオン打ち込み法を用い、AFMを用いたナノメータ分極構造の実現に向けて研究を進めている。
|