研究課題/領域番号 |
09450143
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子デバイス・機器工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
尾崎 雅則 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50204186)
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研究分担者 |
藤井 彰彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80304020)
吉野 勝美 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70029205)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | 強誘電性液晶 / 反強誘電性液晶 / スメクチック層 / カイラルスメクチックC相 |
研究概要 |
カイラルスメクチック液晶の層構造は、層の折れ曲がり変形のみならず、ある条件下では層の配向方向も容易に変化し、特に、印加電界の極性反転の仕方に非対称要素を導入することによって原理的には無制限に層が電界印加方向を軸として回転し、また、この回転が可逆的に起こることを見いだした。また、ガラス液晶界面における全反射を利用した変調偏光解析の結果、層の回転がバルク内のみではなくセル界面も含んだセル全体にわたって一様に起こっていることを明らかにした。この層の回転現象は、二枚のガラス基板で挟んだ従来のサンドイッチ型セル構成では、光軸の回転となり、これにより、印加パルスの回数に応じた透過光強度の制御が可能となり、新しい光機能デバイスへの応用の可能性を示唆した。 一方、カイラルスメクチックC(SmC^*)相の直ぐ高温側にカイラルネマチック(N*)相を有する液晶では、電界を印加せずにN^*-SmC^*相転移を起こした場合、層構造を形成するSmC*相に入ると同時に分子が傾くため、基板界面を一軸配向処理した場合、層の方向は一意的に決まらず、容易軸方向から±θ(θ:チルト角))だけ傾いた方向に層法線を有する二種類のドメインが観測される。ところが、本研究ではそのドメインの発生が層法線に沿って起こる液晶を発見し、これを用いた周期的ドメインパターンの形成を実現した。さらに、レーザー光の照射によって起こる光誘起相転移時の印加電界極性の制御によって可逆的な光書き込みを実現し、これを用いた排他的論理和演算素子を提案した。また、アゾ系フォトクロミック色素を添加したN^*-SmC^*相転移液晶における光誘起層配列制御を提案・実証した。すなわち、SmC^*において光照射を行うことによりフォトクロミック色素の光異性化に伴うN^*相への相転移を誘起し、その際の印加電界の方向によって層配列方向を制御した。
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