研究概要 |
マイクロセルプラズマが容量結合で高周波駆動される場合、一般的には (a) 低維持電圧、 (b) セルの等価静電容量 が最大の利点・欠点となっている。従来から高周波放電のブレークダウン電圧は外部パラメータpd(ガス圧力×電極間隙)とrd(駆動周波数×電極間隙)に依存することはよく知られている。定性的には、2fd>v_d(v_d:実効ドリフト速度)の条件でプラズマは維持可能であり、セルサイズがμmオーダの縮小サイズに減少するに従い、次第に維持が難しくなる。従って、維持電圧は上昇せざるを得ない。この意味で(a)の事実はセルサイズに強く依存することに注意すべきである。また、駆動周波数がkHz→数10MHzに上昇した際の(b)に基づくパルス電圧の遅延効果も無視出来ない。 そこで本研究では、安価で安定性、粘度の高い13.56MHzの産業用高周波をマイクロセルの駆動源として採用している。 3組のμmオーダの軸対称3次元セル内に維持される高圧(100Torr)Xe高周波プラズマをRCTモデルをもとにデデザインしプラズマ諸量を検討した。先に述べた2fd>v_dの非維持条件下でも、ある複雑なセル構造のもとで10^<13>cm^<-3>の高密度RFプラズマが実現出来ることを予測している。さらに、現行蛍光体を考えて150nm,173nm,147nm発光強度の外部パラメータ依存性を見積もっている。 結論として高密度のマイクロセルプラズマは300V程度の維持電圧が必要であることがわかった。
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