研究課題/領域番号 |
09450146
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
真壁 利明 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (60095651)
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研究分担者 |
中野 誠彦 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (40286638)
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キーワード | マイクロセルプラズマ(MCP) / 高周波プラズマ / プラズマディスプレーパネル(PDP) / Xe / Ne混合ガス / 化学イオン化 / RCTモデル / プラズマモデリング |
研究概要 |
実用化されている低周波駆動のプラズマディスプレーパネルは低発光効率とLSI回路不整合性が本質的な課題である。本研究はこれら課題を革新的にブレークスルーする全く新しい高周波駆動マイクロセルプラズマ(MCP)をプラズマモデリングから提案することを目的とした。今年度は、 1)慣用的なPDP、すなわち、誘電体3電極型の低周波(100kHz)駆動プラズマの書き込み、維持、消去の各フェーズをシミュレーションし、3つの電極それぞれの機能を把握し、入力電力に対する発光種生成効率が低い事実を総合的に評価した。 2)原料ガスXe/Ne系の化学イオン化作用が全電離過程に与える影響を定量的に把握するために、Xe/Ne系の電子輸送パラメータをボルツマン方程式の直接解法(DNP)から解析しデータベースを構築した。 3)高周波駆動、特に、50MHzで円筒状誘電体で囲まれたリング電極を有する容量結合マイクロセル内のプラズマ構造と維持特性を解明した。マイクロオーダーのセルを用いる限り、セル側壁からの荷電粒子の損失とセル内での発生の比は大略代表的なセル長さに逆比例し増大する。結局、MCP実現の鍵はセル壁でのプラズマ損失過程をできるだけ防ぐことができるセル構造の具体化である。 4)本研究では具体的なセル構造を提案し、そのプラズマモデリング予測から50MHz駆動MCPの優れた具体的特性を明らかにした。低周波駆動に比較してイオンが担う電力が減少し、従って、電子衝突を経た高発光効率が実現できることを論じた。
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