研究概要 |
本研究では,広域をカバーする移動通信網を利用した新しいメディアへの応用として、移動カメラによる映像情報の能動的な取得とその仮想環境技術への応用を検討する。固定端末環境での映像サービスが,固定カメラを通じての対面会議や蓄積映像の利用にとどまるのに対し,移動通信網の広域性を利用すれば,ユーザがその場で移動カメラを遠隔制御し,自在に観測点を移動しながらの映像取得を目的とする。移動通信網は,モバイル(遠隔制御移動装置)の遠隔制御と映像情報の伝送に利用するが,移動通信網はその広域性のため,モバイルの大きな移動も許容できる.そして、いったん取得した画像をもとに空間情報の構築を行うことにより、仮想環境への応用が可能である。なお、仮想環境への画像の再利用を可能とするために、十分高品質な取得画像の再構成を行なう必要がある。本年度は、以下の点に関しての研究を行った。 高品質、高精細画像取得手法 (1)異なる焦点の複数画像からの全焦点画像、任意焦点画像の生成手法、(2)異なる焦点の複数画像からのシーン内の対象物体をシフトした画像の生成手法を検討した。これらは、領域分割を介さずに所望画像を求めることができるという特徴がある。さらに、(3)複数画像を自動的に繋ぎ合わせ、カメラパラメータと対象の構造を推定しながら超高精細画像を取得する手法の検討を行った。この手法によれば、低解像度のカメラを手に持って対象をスキャンすることで高精細画像をうることができる。 ・空間構築と表示 取得映像情報の臨場感のある表示が必要であり、簡易モデルに基づいて一旦取得した少数枚の画像からウオ-クスルーを生成する手法の検討を行った。 ・移動通信網を介した遠隔移動プラットホームによる画像取得PHSの32Kbpsデータ通信回線を用いて、TCP/IPの下でモバイルプラットホームを遠隔制御し、画像も取得するシステムの構築と実験を行った。
|