研究概要 |
2D-DFTの1D-DFTへの等価変換理論とその応用の研究を続け,次の成果を得た. 1.任意配列の信号点列に対するDFTの標本化定理を導いた.これは本等価変換理論が信号点列の数に等しい周波数点においてのみDFTが得られるという欠点を補うものである. 2.平面マルチビームアレーを線状マルチビ-ミムアレー用のBFNにより給電するSheltonの方法への数学的な基礎はすでに与えているが,具体的なアレー構造に対して応用することにより,本理論の正当性を確固たるものにすることができた.検討したアレー形状は三角配列,六角配列を含む. 実験的研究により次の成果を得た. 1.基数が3のFFTのアルゴリズムをハードウェア化したものとして,変形Blass回路を設計製作した. 2.上に製作したアレーを指向性ダイバーシチアンテナとして用いた際の室内無線LANの実験を行い,ダイバーシチ受信の実験を行った. 3.無線データ通信実験により,ダイバーシチ受信によるBER特性の改善度を知ることができた. 4.小型,薄型,軽量の特徴を有し,携帯機のアンテナとして有望なマイクロストリップアンテナは本質的に狭帯域特性をもつ.広帯域化の研究を行い,対数周期型にすることにより,単体の帯域を数十倍に広げることができた.
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