電波暗室の電波吸収体に関しては、フェライトを発泡させた新素材を用いた場合のサイト減衰量特性をレイトレース近似で解析し、発泡フェライトの有効性を明確にした。その解析結果を使って、九州工業大学に建設予定の電波暗室特性を推定した結果、30MHzから10GHzの周波数帯で、サイト減衰量の許容値を満足することが明らかになった。その検討結果を基にして電波暗室を建設した結果、設計通りの特性が得られることを実験的に確認した。今回の推定と実験により、発泡フェライト電波吸収体は、従来の電波吸収体では1m程度必要であった厚さを10cm程度に短縮でき、画期的な電波吸収体であることを世界に先駆けて実証した。これらの結果を平成10年5月に開催される電子情報通信学会環境電磁工学研究会で発表する予定である。 電磁シールドルームを作製し、シールド特性を測定した結果、10kHz以上で磁界を90dB以上減衰させることを確認した。また、数値計算を重ねて、廉価で排気特性の高いスパッター真空排気装置を設計し、2時間半で大気圧から5×10^<-8>torrに到達することを確認した。
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