研究概要 |
本年度は複数の人間の間に存在する概念の相違を検出するというアプローチにおいて提案してきたシステムの完成度を高めるために,機械学習の分野でしばしばベンチマークとして使用されるカリフォルニア大学アルバイン校で公開されているデータベースを対象にしてシステムの性能検証を行った.一般的に人々は異なった視点や観点を持つため,たとえ同じ事象に対しても異なる概念を持つ可能性がある.概念における相違が存在する場合には同じ事象に対してでも意見を交換して相互理解を深めることが不可能となるため,概念の相違を除くことは背景知識が異なる人々がグループとして共同作業を行う場合に特に重要となる.我々は従来からユーザーの知識を具体的な決定木として構造化し,概念の差異を決定木間の構造における差異として検出を行うことを提案してきたが,前年度までに提案してきたID3を用いて決定木を生成する手法と遺伝アルゴリズム(GA)を用いて決定木を生成する手法とを利用した場合のシステムにおける問題点などの検討を行った.カリフォルニア大学アルバイン校で公開されているデータベースを対象にして実験を行い,これまでに提案してきたシステムの有効性を検証した.
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