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1997 年度 実績報告書

モデル集合の同定と制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09450166
研究機関東京大学

研究代表者

木村 英紀  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10029514)

研究分担者 山本 茂  東京大学, 大阪大学・基礎工学部, 助手 (70220465)
田原 鉄也  東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (90272393)
大石 泰章  東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (80272392)
キーワードモデル集合 / システム同定 / 制御 / 不完全知識 / 事前情報 / 入出力データ / ill-posedness / 学習
研究概要

今年度は主としてシステム同定の側面から研究を行ない,モデル集合の概念の重要性と特徴づけにおいて成果を得ることができた.
システム同定は未知のシステムのモデルを事前情報と入出力データから構成する手法である.この事前情報や入出力データは,雑音で汚されていたり量が不十分であるなど不完全であるのが普通である.したがってシステム同定では不完全な情報から未知システムを求めなくてはならず,未知のシステムは一意には決定できない.この意味で同定問題は本質的にill-posedな問題であるといえる.研究の結果,従来の同定法の本質はこのill-posed性を排除してモデルを一意に決定するために滑らかさなどの評価基準を導入しているというところにあること,これに対して,モデル集合に基づくアプローチの特色は,このill-posed性を我々の知識の不完全さを表現するものとして積極的に評価し,単一のモデルではなくモデルの集合を求めようというところにあることが認識された.
上で述べたことにより,モデル集合の大きさを定量評価すれば,それは我々の情報の不完全さの定量評価になる.このことに基づいてある同定手法の解析を行ない,知識の不完全さの量は同定を行なう際の事前情報に大きく依存することがわかった.また,学習とはこの知識の不完全さが時間とともに減少していくということであり,この考え方に基づいて学習との結び付きについて考察した.
上記以外にも時変システムの同定,エンジンや高炉の制御など,理論・応用の両方にまたがる多方面から,モデルおよびモデリングに対するアプローチを行なっている.
次年度は主としてシステム制御の側面から研究を行ない,特にモデル集合の大きさと制御のしやすさについて考察する予定である.また,応用の方面からの研究成果とも組み合わせて構築した理論の具体的応用についても考えていく予定である.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] H.Kimura: "Non-Unigneness,Uncertainty and Complexity in Modeling" Jonrnal of Applied and Conputational Control,Signals and Circuits. 1-1. (1998)

  • [文献書誌] H.Kimura: "How the Model Gets Reality?" Proceedings of the 2nd Asian Control Conference. 2. 3-10 (1997)

  • [文献書誌] 伊藤・興野・大石・木村: "モデル集合の同定法と直径に基づくその性能解析" 計測自動制御学会論文集. 投稿中.

  • [文献書誌] S.Yamamoto and K.Yamauchi: "Robust Tuning Control of Multi-Model Systems" Proceedings of the American Control Conference(Alburguergue,NM). 372-373 (1997)

  • [文献書誌] R.Nagamune, S.Tamamoto and H.Kimura: "Identification of the Smallest Unfalsified Model Set with Both Paranetric and Unstrnctwed Uncertainty" Preprints of 11th IFAC Synposium on System Identification(Kokura,Japan). 1. 75-80 (1997)

  • [文献書誌] 佐々木・津村・足立・木村: "2次元領域システムのモデリングと制御" 第20回計測自動制御学会Dynamical System Theary シンポジウム. 347-352 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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