前年度は基本的なアルゴリズムの確認にとどまったが、本年度は実際の音響場への適用を前提に、(1)計算時間の大幅短縮、(2)音源の移動や発生・消滅への対応、(3)反射波への対応についての検討を行った。(1)に関しては、非周期性音源を前提にしたアルゴリズムの改良により、周期性判定部分を削除可能となり、一桁以上の時間短縮が可能となった。(2)に関しては遺伝的アルゴリズムをベースにした方法により、音源の新たな発生や、音波発生を中断している間の音源移動にも対応可能となるような新しい手法について検討を進め、その実現の見通しを得た。(3)については計算機シミュレーションにより、再生音の劣化が激しくなることを確認し、反射音対策を別途考慮する必要があることを確認した。
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