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1997 年度 実績報告書

大規模地震に対するマルチ塑性ヒンジ構造物の非線形動的特性の解明に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09450175
研究機関東京工業大学

研究代表者

川島 一彦  東京工業大学, 工学部, 教授 (20272677)

研究分担者 庄司 学  東京工業大学, 工学部, 助手 (60282836)
キーワードじん性設計法 / 地震応答 / 耐震設計 / 塑性ヒンジ / 履歴特性 / 免震設計 / 非線形解析 / エネルギー吸収
研究概要

本研究の初年度にあたる平成9年度には、2塑性ヒンジ系の代表として、免震支承と同時に橋脚基部に塑性ヒンジが形成される免震橋を取り上げ、免震支承と橋脚基部の2カ所で塑性ヒンジ化する場含の塑性ヒンジ間の動的相互作用を検討した。
本解析の結果、主たる塑性ヒンジ(免震支承)とサブの塑性ヒンジ(橋脚基部の塑性ヒンジ)の塑性化の度合いは、両者の履歴特性、特に2次剛性によって大きく異なることが明らかとなった。一番基本的な両者が完全弾塑性バイリニア型の履歴特性を有する場合には、両者の降伏耐力が重要であり、これが塑性ヒンジの相対卓越度を規定する。したがって、降伏耐力の小さい方の塑性ヒンジの塑性化が進展し、降伏耐力の大きい方の塑性ヒンジ化は進展しない。
これに対して、主たる塑性ヒンジが正の2次剛性を有するバイリニア型の履歴特性を持ち、サブの塑性ヒンジが完全弾塑性バイリニア型の履歴特性を有する場含には、サブの塑性ヒンジの降伏耐力が主たる塑性ヒンジの降伏耐力よりも大きければ、応答の当初には主たる塑性ヒンジの塑性化の方がサブの塑性ヒンジよりも進展するが、やがて主たる塑性ヒンジに生じる応答変位がある程度大きくなると2次剛性のために、主たる塑性ヒンジの復元力の方が、サブの塑性ヒンジの復元力よりも大きくなり、主たる塑性ヒンジではなくサブの塑性ヒンジの塑性化が進展するようになる。すなわち、主たる塑性ヒンジの入れ替わりが生じ、塑性ヒンジの相対卓越度が著しく減少することがあることを明らかにした。これは、免震橋における免震支承の剛牲を規定する場含等のように、2ヒンジ系の基本的な特性を表すために重要であり、耐震設計にいろいろな形で用いることが可能である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kawashima,K and Shoji,G.: "Interaction of Hysteretic Behavior between Isolator/Damper and Pier in an Isolated Bridge" 構造工学論文集. Vol.44A(発表予定). 733-741 (1998)

  • [文献書誌] 飯山かほり・川島一彦・庄司学: "免震効果を得るために必要な橋梁の長周期化に関する一検討" 構造工学論文集. Vol.44A(発表予定). (1998)

  • [文献書誌] 飯山かほり・川島一彦・庄司学: "免震橋の地震応答特性に関する研究" 東京工業大学地震工学研究グループ報告書. TIT/EERG98-1. (1998)

  • [文献書誌] 庄司学・川島一彦・飯山かほり: "橋梁の免震設計に用いる支承の降伏強度および等価固有周期の設定" 第24回地震工学研究発表会講演論文集. 293-296 (1997.7.)

  • [文献書誌] 飯山かほり・川島一彦・庄司学: "免震効果を得るために必要な長周期化" 第24回地震工学研究発表会講演論文集. 289-292 (1997.7.)

  • [文献書誌] 飯山かほり・川島一彦・庄司学: "免震効果を得るために必要な長周期化に関する研究" 第52回年次学術講演会講演概要集. 1-B. 654-655 (1997.9.)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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