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1997 年度 実績報告書

硬質地盤材料の小ひずみレベルでの三次元粘弾塑性特性

研究課題

研究課題/領域番号 09450180
研究機関東京大学

研究代表者

龍岡 文夫  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70111565)

研究分担者 吉嶺 充俊  東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (80251338)
東畑 郁生  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20155500)
キーワード変形・強度の時間依存性 / クリープ変形 / リラクゼーション変形 / 変形特性のひずみ速度依存性 / 変形特性のひずみ加速度依存性
研究概要

従来別の枠組みで研究されていた地盤材料の1)クリープ変形・リラクゼーション等のレオロジー的性質、2)変形特性のひずみ速度依存性、3)クリープ変形後に載荷を再開したときの変形特性を、同一の枠組みの中で実験的・理論的に研究した。
1)粘性土・砂礫・セメント改良土・堆積軟岩共通して、弾性波速度により測定される変形特性と静的試験により測定される変形特性は、ひずみレベルを併せて比較すれば、基本的に同一の特性である。
2)クリープ変形後に載荷を再開すると、クリープ中の排水条件にかかわらす、載荷直後微小ひずみで弾性的変形特性を示し、降伏後クリープ変形の影響を受けない元々の変形特性に復帰する。クリープ中に排水、構造化、セメンテイションが進行するほど、高剛性を示す応力範囲は大きくなる。この特性は、応力履歴に殆ど依存しないので、この変形特性を調べる目的では異方圧密の必要性はない。
3)粘性土と堆積軟岩に関しては、現在の応力・ひずみ関係は現在のひずみ速度に支配される(Isotach特性)。この性質を利用して、ピーク強度のひずみ速度依存性、ひずみ速度に依存しない正規化応力・ひずみ関係から、クリープひずみ速度を予測できるモデルを構築した。このモデルは、クリープ中の排水、セメンテイションの効果を考慮できる。
砂礫の応力・ひずみ関係は、一定のひずみ速度である限り、100倍程度ひずみ速度の変化の影響は殆どない。それにもかかわらず、一定荷重下でのクリープ変形と一定ひずみ下でのリラクゼーションは明確に生じる。さらに、単調載荷中にひずみ速度を急増させると、高剛性を示し上記の一定ひずみ速度で観測された応力・ひずみ関係の上方にovershootingしたのち降伏し、ひずみの進行とともに上記応力・ひずみ関係に収斂する。ひずみ速度を急減させた場合は、上記と逆の現象(undershooting)が生じる。これらの変形特性の時間依存性は、変形特性がひずみ速度依存性ではなく、ひずみ加速度(ひずみ速度の時間に対する微分)の影響を受けることを意味している。これは、従来の殆どのレオロジー理論では説明できない全く新しい現象であり、抜本的な理論構築の必要性を示している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kohata,Y.et.al.: "Modelling the non-linear deformation properties of stiff geomaterials" Geotechnique. Vol.47,No.3. 563-580 (1997)

  • [文献書誌] Jiang,G.L.et.al.: "Inherent and stress state-induced anisotropy in very small strain stiffness of a sandy gravel" Geotechnique. Vol.47,No.3. 509-521 (1997)

  • [文献書誌] Tatsuoka,F.et.al.: "Characterising the Pre-Failure Deformation Properties of Geomaterials" Theme Lecture for the Plenary Session No.1,XIV IC on SMFE,Hamburg. (1997)

  • [文献書誌] 松下政史 ほか: "平面ひずみ圧縮試験における砂の変形のひずみ加速度依存性" 第33回地盤工学研究発表会講演概要集. (印刷中). (1998)

  • [文献書誌] 桃谷尚嗣 ほか: "正規圧密粘土における変形特性のひずみ速度依存性と非排水クリープの予測" 第33回地盤工学研究発表会講演概要集. (印刷中). (1998)

  • [文献書誌] 石井高幸 ほか: "圧密応力経路と排水クリープが飽和正規圧密粘土の変形特性に及ぼす影響" 第33回地盤工学研究発表会講演概要集. (印刷中). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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