試料径100mmの三軸試験機を作成し、豊浦標準砂を用いた非排水繰り返し載荷試験を行った。その非排水繰り返しせん断強度(液状化強度)を、過去に全国大で行われた一斉試験結果と比較することにより、この試験機が、標準的な強度特性を測定できることを確認した。 次に、この試験機を用いて、3種類の異なる粒度分布を有する人工砂礫材料の液状化試験を行った。試験に先立ち、液状化強度に重大な影響を与えるMembrane Penetration 効果についてまず検討し、その補正法を確立した。試験に用いた試料はWet-Tamping法で相対密度が30〜60%程度の範囲で数段階の値を取るように作成した。その結果、各試料ごとにばらつきの少ないデータが得られ、相対密度と液状化強度の関係が得られた。今後、粒度分布が液状化強度に与える影響についても検討を進める。 一方、兵庫県南部地震で液状化したマサ土は礫からシルトまでを含む粒度配合の良い礫質土である。このマサ土を原位置で凍結しサンプリングした試料が得られたため、これの試験を直径100mmと50mmの試料について行った。その結果、各試料はかなり大きな礫粒径を含むにもかかわらず、ばらつきの少ない液状化強度が得られ、しかも100mmと50mmで強度がほぼ一致することも明らかと成った。マサ土と人工砂礫の強度の比較などについては今後検討していく予定である。
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