1) 均等係数が1.4〜13の粒度分布の異なる砂礫材料の液状化強度は相対密度が同じ場合にはほぼ同じ値を示す。すなわち、砂礫材料の液状化強度は、材料ごとの大きな間隙比の違いにも関わらず、相対密度により一義的に定義できることが明らかとなった。 2) 上記の液状化強度と相対密度の関係に以前の研究で提案した相対密度と標準貫入試験N値の関係を結びつけることにより、液状化強度とN値の関係を導いた。これを直接原位置に適用するには今後の実証が必要であるが、定性的には、礫分が多い土ほど同じN値の場合の液状化強度は小さくなる傾向があることが示された。 3) 一方、液状化後に行った単調載荷非排水試験によれば、液状化時の非排水せん断強度は粒度分布により大きく異なり、同じ相対密度50%の試料においても、均等係数の1.4の砂は強度がほとんど回復しないのに対し、均等係数13の砂礫は正のダイレイタンシーにより強度が大きく回復する。すなわち、間隙水中に負圧によるキャビテーションが起きない限り、同じ相対密度でも礫分が多い土ほど10%程度以上の軸ひずみでの非排水せん断強度は大きくなることが明らかとなった。 4) 現地から凍結不撹乱採取したまさ土の液状化強度は60%〜80%の相対密度を有しているが、同じ相対密度を持つ上記の砂礫材料に比べてかなり低い液状化強度を示す。これは、原位置のまさ土が多くの細粒分を含むこと、土粒子の風化が進んでいるため破砕性が大きいことなどによるものと思われた。 5) そこで、上記の砂礫材料と同じ均等係数が1.4〜13の粒度分布となるように人工調整したまさ土試料についての試験を行ったところ、礫分が多い場合ほど砂礫材料より小さい強度となり、粒子の破砕性などの影響が大きいことが明らかになった。 6) 一方、液状化後に行ったまさ土の単調載荷非排水試験によれば、同じ粒度分布の砂礫材料に比べて膨張性が弱い。すなわち、礫分が多いまさ土ほど粒子の破砕性が大きく、液状化時の流動現象が生じやすいことが明らかとなった。
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