研究概要 |
本年度は3年計画の最終年度に当たり,計測実験の補足と研究成果の取り纏めを行った。特に,大型浮体構造物の場合は,浮体中央部の応答は小さく端部だけが大きく揺れる特性を示すことが前年度までの研究で明らかにされており,これを抑制するために,浮体端部に鉛直反射板または水平没水平板を付設する手法に着目し,それによる応答抑制効果を確認する実験を行った。その結果得られた知見は以下のように要約される。 1)波上側端部に端板を付設することにより,浮体の変位応答,歪応答ともに端板のない場合に比べて著しく低減される。これは入射波が端板に作用することによって浮体端部の回転が抑制される結果と考えられる。 2)端板の付設は特に短波長域での応答の低減に効果的である。 3)水平,鉛直いずれの端板もサイズの大きい方が,また同じサイズであれば水平端板よりも鉛直端板の方が短波長域での応答の抑制効果は大きい。 4)波上側の端板に近い位置では,端板を付設することによって歪応答が増加する。これは入射波が端板に作用する際に生じる端部回転モーメントが原因であると考えられる。 5)既住の研究ではサイズの大きな端板が用いられており,その付設が係留力の過大な増加を引き起こす可能性が指摘されていたが,本研究では喫水深に比べて小さなサイズの端板を用いても十分な応答抑制効果が得られることが確認された。
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