研究概要 |
1.建築骨組の構造設計プロセスを,静的弾性設計と動的弾性設計に分け,それらをサブシステムとしてとらえることによる分散型の最適設計手法を提案した。本手法では,パラメトリック最適化手法を導入し,サブシステムの最適設計過程を繰返し行なって全体システムの満足解あるいは最適解を求めるため,大規模構造物の最適解を効率よく求めることができる。 2.オブジェクト指向分析・設計の手法により,分散型の最適設計手法を分析し,サブプロセスと全体プロセスの設計問題のクラス構造を明らかにし,再利用性の高い分散型構造設計プログラムのテンプレートを構築した。 3.トラス構造物に対し,形状設計と剛性設計を2つのサブシステムと考え,それらをネットワークで結合された2つのワークステーション(WS)でそれぞれ実行し,さらに,制御用WS上で実行される制御プログラムを用いて各サブシステムの最適設計過程を統合することにより,全体システムの最適化を実行するためのプログラムを作成した。 4.サブシステムレベルの最適化の過程で,設計変数が離散値の集合として与えられ,連続関数による表現が困難な場合の1つの例として,トラスのトポロジー・節点位置同時最適化問題を対象とし,遺伝的アルゴリズム(GA)を用いて最適化を実行するシステムを構築した。 5.膜構造物に対し,形状設計プロセスを上位プロセス,初期応力決定プロセスを下位プロセスととらえ,2つのプロセスを繰り返し実行することにより,形状と剛性に関する要求を考慮した最適形状と応力と求める手法を提案した。
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