研究概要 |
1. NeWMeK観測地点の地形形状別分類 (1) 九州地区の数値地図情報の収集分析とNeWMeK観測地点の方位別地形形状分類 前年度に引き続き,国土地理院発行の数値地図情報データ(50mメッシュ)を利用し,残り40ヶ所のNeWMeK観測点を東西南北の4方向別に地形形状を5タイプ(平坦部,山麓,斜面,山頂,谷間)に分類整理した。 (2)風速分布時系列解析結果と地形状況分類に対応させた観測データの再整理 多くの観測点では,風向によって異なる地形形状を有するので,前年度にデータベース化した分析資料を,5タイプから9タイプ(山麓吹上げと吹下ろし,山腹吹上げと吹下ろし,谷間に平行と直角,山頂に平行と直角)に拡張し,それぞれの状況に対応させて再整理した。 2. 周期的変動風中での風速計記録に鉛直方向成分が及ぼす影響の実験的検討 現在保有する風洞内翼列を周期的に加振する装置を新たに敷設し,風洞風速を突風率1.5〜2.0,周期0.1〜10秒程度の範囲で調整できるようにした。この中で風速記録に及ぼす鉛直方向成分の影響の検証を行ったところ,風車型風向風速計は,傾斜風角度10度以上では周期2秒に対する応答性が不十分であることが分かった 3. 風速分布時系列解析に及ぼす風速計設置高度の影響 (1) 風向別風速補正係数の選定 NeWMeK観測点の風速計の設置高度は地上高30〜190mの範囲にばらついている。風速計設置高度の違いによる影響の程度を検証するために,風向別の観測点地形状況と風速鉛直成分の影響検証結果を考慮して,各観測点の風向別の風速補正係数を選定した。 (2)風速補正後の風速分布時系列解析 上記,補正係数を適用した風速値を用いた風速分布時系列解析結果と前年度までに得られている結果を比較検証したところ,風速計の高さ補正を行う前後で全体分布に大きな変化が見られないことが分かった。
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