研究課題/領域番号 |
09450216
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
岩瀬 昭雄 新潟大学, 工学部, 教授 (30114391)
|
研究分担者 |
土井 希祐 新潟大学, 工学部, 講師 (60134954)
佐久間 哲哉 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (80282995)
吉久 光一 名城大学, 理工学部, 助教授 (60158491)
|
キーワード | 積雪 / 縮尺模型実験 / 音響伝搬 / 吸音率 / 衰減定数 / 位相定数 |
研究概要 |
本研究では、積雪面上の音響特性を実測調査することを研究の基盤と考えているが、積雪条件が整う前の年度前半では積雪の音響的なアナロジーから多孔質材料を雪に見立てたl/50縮尺模型実験を実施した。すなわち、昨年度に作製した高電圧発生回路を利用し、放電超音波パルス音源を用い、この音源からの放射音を音源高さと受音点までの距離の組み合わせを様々変えて音響伝搬周波数特性をFFT分析器により観測した。今年度の模型実験では、昨年度に得られた積雪面上での音響伝搬特性の実測結果の再現を試み、積雪面に対応する構造として目の粗いジュート麻と目の細かいタオル地を重ねて対応可能なことがわかった。また、本年度の実測調査として、1999年1月16,17日に昨年度と同じ新潟県下田村において約1mの積雪を対象にその面上での音響伝搬特性、積雪面の吸音率さらに、積雪中における音響伝搬特性など積雪の音響特性を規定する諸特性の計測実験を行った。前者2つの計測実験では、自然積雪とカンジキで踏んだ圧雪条件、音源を約6m高さにした伝搬実験も加えた。本年度の研究結果や昨年度までの研究結果をから、積雪面上で肉声で会話することを想定すると、音声帯域(250Hz〜500Hz)は非常に音波が伝わりにくいことがわかった。また、スピーカによる拡声を想定して音源の高さを数mと見渡せるように配置した音響伝搬特性の改善では、幅広い減衰は無く改善されるが、激しい凹凸の含まれる音響伝搬特性であることなどが判明した。また、畳込みによる可聴化による聴取試験でも上記の周波数依存性が確認された。また、積雪の基本的な音響物性値である衰減定数と位相定数も観測でき、単位厚さ当たりのdB減衰値の周波数依存性や低周波で音速が遅く、高くなるに従って音速が増し、空気中の音速に近づくなどの多孔質材料としての特性が確認された。
|