研究課題/領域番号 |
09450219
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
石野 久彌 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80150267)
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研究分担者 |
宇田川 光弘 工学院大学, 工学部, 教授 (00133314)
郡 公子 宇都宮大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20153504)
吉田 治典 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00144337)
吉野 博 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30092373)
絵内 正道 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00001991)
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キーワード | アトリウム / 大空間 / ガラス建築 / アンケート調査 / 簡易環境実測 / 環境設計 / 設計計算法 / シミュレーションモデル |
研究概要 |
アトリウムを中心とする大空間ガラス建築が世界的に流行しているが、その環境特性は非常に幅があり、変動が大きく設計上困難な問題が山積している。そこで今年は以下のことを行った。 1.全国の著名アトリウムに対して、その設計者の思想と設計結果についてアンケートを行い約50件の回答を得た。また過去の文献調査も行い日本のアトリウム全体を洗い出すことを試みた。その結果、中庭型アトリウムの減少、1994年にアトリウム建設のピークがあったこと、夏期はガラス窓の工夫など建築的処置が多用されていること、冬期はドラフト防止用ヒ-タなど設備的処置が中心であること、輻射冷暖房方式が約半数占めていること、アトリウムの評価はその属する建物本体側からの視点、外部空間の延長としての視点、アトリウムそのものの居住性能の三点から診断すべきであること、などが判明した。 2.蒸暑地域から寒冷地域迄の広域のアトリウムの簡易実測により、蒸暑地域は通風が主であり、寒冷地域では人々のオアシスとしての空間づくりが重要になっていることがわかった。太陽、水、植栽はアトリウムに必須であり、寒冷地では植栽は生きた本物に限ることや、太陽については光の導入と夏期の日射遮蔽がトレードオフとなっている。床暖房の有無や輻射環境の評価や非空調時の影響判断には可搬式の赤外線画像装置が効果的であった。 3.既存の理論の問題点として、最大負荷計算法について、ブロックモデルとミクロモデルの気流計算について、床暖房の計算法について、煙突効果の計算法について、アトリウム実測法について、積雪寒冷地アトリウムについて、などを検討した。
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