研究課題/領域番号 |
09450221
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研究機関 | 東和大学 |
研究代表者 |
塩月 義隆 東和大学, 工学部, 助教授 (40150487)
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研究分担者 |
北山 広樹 九州産業大学, 工学部, 講師 (70221918)
西田 勝 九州産業大学, 工学部, 教授 (30069504)
石井 昭夫 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (40087276)
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キーワード | 福岡市立小学校 / 温熱環境 / 光環境 / 通風・換気 / アンケート調査 / 実測調査 / 放射環境 / エネルギー消費量 |
研究概要 |
本年度は、下記に示すような調査・解析を行った。得られた知見を要約して列記すれば、以下のようである。 1.福岡市立小学校の教師に対して、夏季の教室環境に関するアンケート調査を行い解析した (1)教室のタイプは、南面、片廊下タイプが圧倒的である。教師の属性は男性より女性の方が多く、特に30代・40代の女性が多い。冷房装置は必要である、あった方が良いが圧倒的に多く、全体の約85%を占める。 (2)教室内はかなり暑く、日射の有無で窓際の暑さに大きな違いが見られる。暑さの原因の主な理由は日射と風通しである。パッシブな手法だけでは夏場の高い気温や、高湿度、強風等の問題を解決するには限界がある。 2.夏季の教室環境に関する実測調査より、片廊下タイプと中廊下タイプの教室温熱環境の比較を行った (1)夏季の室温は、通風時では外気温にほぼ等しくなり、水平方向の分布はほとんど生じない。 (2)放射環境は南側の席が最も悪く、北側の席と比較してグローブ温度に約2°Cの差が生じる。 (3)片廊下タイプと中廊下タイプでは、室温に顕著な差は見られないが、中廊下タイプの方が通風に難があるので、総合温熱指標SET^*は高く体感的には暑くなっている。片廊下タイプの教室の通風は良好である。 3.福岡市立小学校の電気、ガスの消費量および水道使用量の月別変動と年間消費量を調査・解析した (1)非空調校の電気は、照明、コンセント関係で消費の大半が占められており、年間を通して大きな変動はない。空調校(航空機騒音の激しい一部の学校)の電気消費量は、夏期のみ非空調校の2〜3倍程度増加する。 (2)小学校のガスの大半は学校給食によって消費されるため、夏期休暇時には消費量は極端に減少する。 (3)水道使用量は、空調の有無による顕著な差は見られない。プール教室が行われる夏期のみ使用量が多くなる。
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