研究概要 |
本研究は,高齢・少子化や情報化のような社会構造の変動に対し,地域公共サービスの提供メカニズムそのものの再編成が必要となっているとの問題意識を背景に,地域公共サービスとして提供すべきサービスの内容・施設の形態や提供メカニズムについての知見を得ることを目的としている. 高度経済成長期から現在に至る人口構造の変動と地域施設の立地の変化をとらえるために,武蔵野市吉祥寺駅周辺を対象に施設調査を行った.具体的には1970年,80年,90年,99年の4時点で,職業別電話帳から得られた特定業種の住所を当時の住宅地図上で確認しつつ,1/2500の数値地図上の座標として入力し,施設分布の変化を経年的に捉えることができる地図データベースを構築した.これら施設分布と人口分布,土地利用分布の空間的な相互作用を考慮して分析をおこなった.主な結果として, 1)立地の特徴とその変化を,最近隣距離,圏域人口,施設数の増減,駅前への集中,ロードサイドへの立地の有無などの観点から業種ごとに分類し,施設形態の変化の特徴をまとめた. 2)夜間人口だけでなく昼間人口に着目して人口変動を捉え,施設配置問題として数理的な最適化をおこなった配置パターンと実際の立地パターンを比較し,サービスの提供メカニズムについての検討をおこなった.
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