FMS(フレキシブル生産システム)による多品種少量生産は、近年建築部品の分野に導入されるようになったが、現在の部品「選択型」設計ではその能力が発揮できない。また自由にディテールを決定する「自由形」も現状では難しい。そこでその中間として、部品の性能を保ちつつ、設計者の意図を組込んで行く、「性能担保型」の部品製作形態が必要である。よって本研究の目的は以下の2点である。 1.外装部品の性能を決定づけている属性(形状・寸法等)を調査する事によって、性能を担保するための属性と設計者が自由に設定できる属性を明確にするための体系的整理を行う。 2.1.の結果を基に部品生産における外装材設計支援システムのプロトタイプを構築する。 昨年度は、外壁の性能を保持するためのデータとして、これまで不都合が起きた場合の事故情報の整理を行った。また、施工段階での不都合についても、複数の専門工事業者からヒアリングを行い、こうした情報群の基本的な整理を行った。また、これまで収集・分析しいた資料を基にデータベースを作成した。さらに、標準設計に基づく設計者のディテール設計手法を調査し、これらを基にカタログや情報ツール、設計ツールなどの提供による外装材設計支援システムの基本構成を提案した。 本年度は、昨年度提案したデータベースのフレームに具体的に検討を加え、基本的なデータを作成した。また、これまでの研究の蓄積の中から、データを整理し、性能を担保とするための属性と設計者が自由に設定できる属性を明確にするための整理をおこなった。 この結果を基に、部品生産における外装材設計支援システムのプロトタイプを提案する。
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