研究課題
医療機能の高度化や患者の高齢化に伴って医療概念が多様化してきている。このような医療環境の根本的な変化を背景として、老人保健施設や居宅が新しく医療を提供する場として定義されたり、今までの一般病院において特定機能病院や療養型病床群を含む機能分化が進んでおり、こうした医療施設の変化に伴う新しい医療施設環境評価手法の確立が望まれている。本研究はこれらの類型に対応した医療施設環境評価手法の確立に向けて、環境構成要素・患者心理・医療機能等の相互関連を明らかにすることを目的としている。本年度は以下の2つの視点から検討を行った。1) 外来部門における環境評価のための基礎的な評価軸の整理昨年度は、病棟環境を評価するための種々の評価軸を整理したが、今年度は、その対象を外来部門とした。外来部門を取り巻く現況を把握する中で、特に、近年注目を集めている「通院治療センター」を重点的に検討する対象とした。そして、その環境における評価軸について、利用者の視点、医療従事者の視点、医療経営の視点から整理し、それらの関係を明らかにした。2) 既存の医療施設環境評価マニュアルに関する運用的側面からの検討医療施設環境評価に関連した評価研究・評価マニュアル等を対象として、評価者が実際の施設内で評価する際のチェックのしやすさや今後の改善方法の提示の仕方等の運用的側面から、評価項目の構成や評価方法、チェックリストの作成方法等についての検討を行った。
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