研究分担者 |
志田 弘二 名古屋市立大学, 芸術工学部, 助教授 (70196385)
青木 孝義 名古屋市立大学, 芸術工学部, 助教授 (10202467)
高田 豊文 三重大学, 工学部, 助手 (90242932)
小浜 芳朗 三重大学, 工学部, 教授 (50023304)
宮村 篤典 名古屋市立大学, 芸術工学部, 教授 (20076532)
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研究概要 |
本研究では,建築設計における総合的最適化に関する基礎的研究として,建築計画的・構造計画的な最適化について考察を行った.各年度ごとに以下のようにまとめられる. 1年目:建築計画では,手術室などの各部屋を近接させるべき度合いを「親近度」で表現し,部屋間の相互関係に関する知識ベースを構築した.あいまいな知識はファジィ表現により記述した.これを踏まえて,各部屋の配置問題を,親近度に基づく動線量の最小化問題として定式化し,動的計画法およびニューラルネットワークによる解法を提案した.構造計画では,動的ねじれ特性の適正化を主眼に置き,耐震要素の配置問題に対して分枝限定法を適用した手法を提案した. 2年目:実設計に向けて,建築計画では解探索の一層の効率化と,構造計画では建物強度算定の精度向上が問題となり,これらの問題点の解決を当年度の目標とした.建築計画では,新たに逐次線形計画法を用いた最適化手法を提案し,計算効率と解の精度の点で有効であることを確認した.しかし,平面計画のエスキス段階のように,条件を満たす多数の配置結果を要する場合は,ニューラルネットワークのような人工知能技術も有効であった.また,一次元の施設配置問題として,病院の廊下に沿うナースステーション,便所および避難階段の配置計画を数理的に取扱い,入院患者の利用距離最小の理論解を誘導するとともに,実設計との比較を行った.構造計画では,耐震2次診断レベルの安全性の確保を目標に,保有水平耐力を制約条件とした壁配置問題を設定し,具体的な設計例への適用によって制約条件が壁配置に及ぼす影響を考察した. 本研究では,全体のシステム最適化を,建築計画と構造計画に分けて取扱っているが,動線量の最小化を目標として各部屋の配置を決定し,得られた部屋配置に対して,壁量が最小となる壁配置を決定すれば,全システムの最適化が可能である.
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