研究課題/領域番号 |
09450227
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
戸沼 幸市 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50063566)
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研究分担者 |
佐藤 洋一 早稲田大学, 理工学部, 助手 (10277832)
葉 華 早稲田大学, 理工学部, 助手 (90277814)
後藤 春彦 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (70170462)
佐藤 滋 早稲田大学, 理工学部, 教授 (60139516)
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キーワード | 東北アジア / 環日本海 / 都市形成史 / 都市空間 / 大連 / 釜山 |
研究概要 |
初年度である97年度においては「環日本海」「国家」「都市」「地区」という4つのフレームを仮説的に設定し、各フレームに関して基礎的な調査を行った。なお1997年度の研究成果として、中間報告書を1998年3月末までにまとめる予定である。 「環日本海」に関しては、従来の環日本海論の言説を収集し、その内容を検討した。また、明治以降に我が国にて発行された、環日本海地域の地図を収集し、他に収集した文献資料と併せて、近代以降の中国東北部、朝鮮半島、極東ロシアにおける鉄道路線の進展過程を明らかにした。 「国家」に関しては、主にモノの貿易、ヒトの移動という観点から、戦前期における国家間での交通の関係を明らかにした。 「都市」としては、「環日本海」「国家」における調査結果を踏まえて、朝鮮半島、中国東北部、極東ロシアにおける主要な都市を30程度選定し、その形成上の特質を把握した。また事例都市として、中国の大連、韓国の釜山を選定し、そこでの市街地形成過程を詳細に調査・把握した。 「地区」としては、大連、釜山の市街地形成過程から、他国の文化的な影響関係という観点から特徴的だと思われた、「旧ロシア町」「旧連鎖商店街」(以上大連)、「南浦洞2洞(チャガルチ市場東部)」「テキサス(釜山駅西側の一帯)」「旧日本専管居留地」(以上釜山)の5地区を選定し、1997年8月から9月にかけて現地調査を行い、現地研究機関の協力の下、その空間構成と形成過程、現況を明らかにした。 以上をふまえて、仮説的に設定したこのフレームの妥当性と限界を分析・考察した。 現時点での成果は以上であるが、来年度は上記のフレームの内、特に「地区」レベルでの都市空間の成り立ちと特質を、ロシアのウラジオストクも含めて、さらに明らかにしていく予定である。
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