研究課題/領域番号 |
09450227
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
戸沼 幸市 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50063566)
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研究分担者 |
佐藤 洋一 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 講師 (10277832)
尹 祥福 早稲田大学, 理工学部, 助手 (60287993)
後藤 春彦 早稲田大学, 理工学部, 教授 (70170462)
佐藤 滋 早稲田大学, 理工学部, 教授 (60139516)
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キーワード | 都市形成史 / 都市空間 / 大連 / 仁川 / プラゴベシチェンスク / ハバロフスク / ウラジオストク / ハルビン |
研究概要 |
本研究は東北アジア地域(中国東北部・ロシア極東・朝鮮半島)における近代以降の都市空間の形成を、歴史的な観点から明らかにするものである.98年度においては、中国東北部の大連・ハルビン、ロシア極東のプラゴベシチェンスク・ハバロフスク・ウラジオストク、それに韓国・仁川の6都市を対象とした.1998年9月及び1999年1月には、現地研究機関・学術機関において、関連研究者に協力を受け、研究内容に関するレビューを受けた。 近代以降に形成された東北アジアの主要都市は、それ以前においては殆どが未利用・未開拓であった土地に形成された。そこで流入者によって各地からもたらされた文化・技術・材料が混合し、すみ分けられた「場」として都市空間を捉えている。本年度は、このような空間形成をもたらした状況を、「フロンティア」として規定し、それらの混合の程度、あるいはすみわけの明瞭さなどから、特徴を有する地区をurban villageと定義し、その形成を解明することに重点を置いた. ○ロシア極東・中国東北部に関する研究の細目 1) 木造建築群ー初期の移民者による空間形成(ブラゴベシチェンスク、ハバロフスク) 2) 帝政ロシアによる初期の市街地計画(大連、ハルビン、プラゴベシチェンスク、ハバロフスク、ウラジオストク) 3) 中国人移民による空間形成(ハルビン・傳家伺、ウラジオストク・ミリオンカ) 4) 東清鉄道の建設行為(大連・旧行政市街、ハルビン・南崗) ○韓国・仁川に関する研究の細目 1) 都市全域における市街地形成過程 2) 開港期に形成された3つの居留地エリア(旧清国居留地・旧日本居留地・旧各国居留地)における空間構造の変容過程 3) 歴史的建築物の類型 今後は都市内部の諸事象を詳細かつ精緻に把握していくとともに、いま一度東北アジアというより広い地域レベルでの考察を可能にするような方向を同時に進めていくことが必要である.
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