研究課題/領域番号 |
09450229
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大谷 義近 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60245610)
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研究分担者 |
北上 修 東北大学, 大学院・科学計測研究所, 助教授 (70250834)
島田 寛 東北大学, 大学院・科学計測研究所, 教授 (00006157)
深道 和明 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00005969)
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キーワード | 交換結合 / 磁区構造 / 強磁性微粒子格子 / 強磁性細線 / 反強磁性磁壁 / 磁気抵抗 / 反強磁性体 |
研究概要 |
最終年度は、界面結合部分での結晶構造の整合性、反強磁性層の磁気構造、ネール温度、交換定数や結晶磁気異方性等の物理因子を考慮して、酸化物と遷移金属合金の代表的な反強磁性体の中からNiO、強磁性層としてパーマロイ(Fe_<20>Ni_<80>)を用いて試料作製を行った。これらの積層膜の構造解析(両層の結晶方位関係、結晶粒サイズ等)を研究分担者と協力して薄膜X線解析装置、原子間力顕微鏡や電子顕微鏡を用いて行った後、極微細加工法を用いてミクロンサイズからサブミクロンサイズの微小交換結合積層構造を作製した。これらの試料について、磁気抵抗測定装置と磁気力顕微鏡を用いて高精度磁気抵抗測定及び磁区構造観察を行った。異方性磁気抵抗効果とPlanarHall効果測定結果を解析することにより、サブミクロンの交換結合領域の磁化過程を測定することに成功した。更に、この解析方法を用いて得られた結果を、マイクロマグネティクスの手法を用いて算出した磁化過程と比較し、局所交換結合磁場がナ結合領域サイズの逆数比例することを発見した。更に、この傾きをランダムフィールドモデルを用いて解析することにより界面の乱れの度合いや交換積分の大きさを決定できることを示した。以上の実験と考察より反強磁性磁区や交換結合磁場の大ききを結合領域の微細加工により制御することが可能であることを明らかにした。 以上の結果を基に、1999年度において6件の国内外学会発表と5件の論文発表を行った。
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