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1998 年度 実績報告書

ガラス中の希土類イオンの光物性・構造解析システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 09450239
研究機関東京大学

研究代表者

井上 博之  東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (10193608)

研究分担者 曽我 公平  東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (50272399)
牧島 亮男  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00016578)
キーワード希土類イオン / 配位構造解析 / 蛍光スペクトル / 配位場理論 / Stark分裂 / フッ化物ガラス / Judd-Ofelt理論 / 遷移速度
研究概要

フッ化物ガラス中の3価の希土類イオンの発光・吸収に関して以下の知見及び成果を得た。
(1) 分子動力学法によるガラスの原子レベルの構造モデルを作成し、これから点電荷近似を用いて求められる結晶場パラメータから、4f電子のエネルギー準位の分裂と準位間の遷移速度から、吸収・蛍光スペクトルを算出した。代表的なフッ化物ガラスであるZBLAN(ZrF_4系フッ化物ガラス)・YABC(AlF_3系フッ化物ガラス)の両組成において、Pr^<3+>,Er^<3+>,Tm^<3+>の各希土類イオンの吸収スペクトルが十分に実測と対応づけられることがわかった。
(2) (1)におけるスペクトルの算出において、個々の準位の分裂を支配する結晶場パラメータ(例えば、2次・4次・6次の結晶場パラメータ)を調べることにより、第1配位に代表される希土類イオンの近接構造を反映する準位の分裂を特定することができた。さらに、この準位の分裂を実測するためには、他の準位との間の遷移速度を支配する結晶場パラメータを調べ、希土類イオンの近接構造を解析するための、測定の遷移を特定できることを見出した。これを実測し、先の計算から求められた構造モデルとスペクトルとの対応の検討を行った結果、YABC系フッ化物ガラス中のEu^<3+>は主にフッ素8配位であることが、^5D_0準位から^7F_4準位への輻射遷移を計測することで解析できることがわかった。Tm^<3+>では、^1G_4準位から^3F_4準位への輻射遷移を計測することで解析が可能となることがわかってきた。現在、この蛍光スペクトルを解析するとともに、他の希土類イオンの配位構造解析のための準位と準位間の特定のための準備を行っている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] M.Tsuda, K.Soga, H.Inoue, S.Inoue and A.Makishima: "Upconversion mechanism in Er^<3+>-doped fluorozirconate glasses under 800 nm excitation" Journal of Applied Physics. 85・1. 29-37 (1999)

  • [文献書誌] H.Tsuboi, K.Soga, H.Inoue and A.Makshima: "Synthesis and Fluorecence Properties of Eu^<2+>-Complex-Doped SiO_2 Gels" Journal of the American Ceramic Society. 81・5. 197-202 (1998)

  • [文献書誌] 井上 博之: "希土類含有ガラスの構造シミュレーション" Science University of Tokyo, Bulletin. 3. 9-15 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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