1. 試作装置を用いたレオロジー試験および構成方程式の理論導出 【レオロジー試験】昨年度完成した粘弾性評価装置を用いた高温レオロジー試験を実施した。下記の3種類の多結晶セラミックスを試料とした:(1)2相系セラミックス、(2)多結晶マグネシア、(3)3Y-TZP。各種の付加荷重、付加歪み、および計測温度域で単純せん断モードでのクリープ及び応力緩和試験を行い粒界すべりと粒間拘束に関する解析を行った。 【粘弾性構成方程式】(1)粒界のガラス相の粘性流動および焼結粒の弾性変形に着目し2相系焼結体の粘弾性構成方程式を導出した。(2)焼結粒の粒界すべりに関する協同現象を定量化する中で焼結体の巨大変形(超塑性)を記述する構成方程式を導出した。 2. 成果 (1) 微視的な「粒界すべり、粒間拘束」機構を多結晶体の高温クリープ及び応力緩和現象に反映させる粘弾性構成方程式論を理論、実験両面から確立した。 (2) 多結晶体の超塑性現象の定量化を目的とし、粒子グループを介する協同現象としての粒界すベり機構の新規な提案と、その重要性を明らかにした。 3. 圧子力学に基づく新規試験装置の試作 極微小試験片、薄膜の高温レオロジー評価を可能とする微小圧子を用いた粘弾性計測装置を試作し、信頼性を確認するための予備試験を行った。
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