研究課題/領域番号 |
09450250
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
住田 雅夫 東京工業大学, 工学部, 教授 (30016654)
|
研究分担者 |
浅井 茂雄 東京工業大学, 工学部, 助教授 (80212463)
渡辺 順次 東京工業大学, 工学部, 教授 (90111666)
|
キーワード | 気相法炭素繊維 / カーボンブラック / 圧電粒子 / PZT / 動的粘弾性測定 / 損失正接 / 減衰時定数 / パーコレーションしきい値 |
研究概要 |
1.炭素粉末(気相法炭素繊維、カーボンブラック)、圧電粒子(PZT)、高分子(ポリフッ化ビニリデン、低密度ポリエチレン)の3成分複合材料を作製し、動的粘弾性測定を行い複合材料の対数減衰率を炭素粉末の体積分率及びマトリックスのメルトインデックスの関数として測定した。 (1)混練した試料をシート状に成形して、電気伝導度を測定し、試料内に導電経路が形成されたかを確認した。 (2)動的粘弾性特性を測定し、損失正接(tanδ)の最大値を求めた。 (3)動的変位を与え、減衰振動を検出し、振幅が初期振動の1/eになるまでの時間(減衰時定数)を求めた。 以上の結果、低密度ポリエチレン(LDPE)/PZT/炭素繊維(CF)の系で振動の減衰は、試料の導電経路となるCFが網目構造になり始めているが、完全には形成されていない状態の、電気伝導度のパーコレーションしきい値近傍で起こることが確認できた。これは、この付近にE'の上昇に反して、E"やtanδの最大値がこの位置で観測されていることからも明らかである。以上より、LDPE/PZT/CF系材料は圧電・導電効果に基づく減衰効果の発現が認められた。 2.液晶高分子ベクトラン(LCP)とケッチェンブラック(KB)の2成分複合材料において、パーコレーションしきい値近傍で損失正接の極大値が観測され、液晶などのモノドメイン構造を有する有機材料も圧電・導電効果に基づく減衰特性を発現することがわかった。
|