研究概要 |
温和な条件下でのPMMAのマイクロセルラー化について検討した。293.2〜323.2Kの温度範囲,2〜15MPaの圧力範囲で,流体として二酸化炭素と亜酸化窒素を使用した。いずれの圧力下においても,発泡径はほぼそろっており,一様に発泡も分布した。発泡径は,低圧領域で小さく,圧力の上昇に伴い大きくなるが,さらに圧力が高くなると小さくなった。一方,発泡数密度は,低い圧力では高く,圧力の上昇に伴いいったん低くなるものの,また高くなる。293.2Kと323.2Kにおいて,約5MPa以上では,高圧になるにつれ発泡径は小さく,発泡数密度は高くなる。また,低温で流体を収着させる方がPMMAのマイクロセルラー化には望ましいことが明らかになった。一方,低圧(発泡最低圧力)においても,最高圧力である15MPaで得られた発泡径・発泡数密度とほぼ等しい発泡体が得られた。同様の現象は,流体として亜酸化窒素を用いた場合においても観測された。 さらに,二酸化炭素中で一軸延伸処理を行った後のPMMAフィルムのマイクロセルラー化を試みた。延伸比は1.75,延伸速度は0.42mm/sの条件下,温度・圧力によるマイクロセルラーの発泡径,発泡密度に対する検討を行った。その結果,323.2Kではいずれの圧力下においても,発泡は観測されなかったが,298.2K,308.2Kにおいては,発泡が観測された。また,その発泡径,発泡密度に対する温度・圧力の効果を,延伸を行わなかった場合の結果と比較したところ,延伸の影響はほとんど観測されなかった。
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