研究概要 |
シリコン半導体は、その良好な特性から電子デバイス材料として最も多く使用されている。市sr遺恨ウエハ-の間に酸化物を挟んだSOI(Silicon On Insulator)構造はデバイスにとっては理想的な構造であることから、近年注目されている。このSOI構造の形成に、シリコンウエハ-同士の直接接合が試みられている。しかし、その接合機構は十分に明らかになっていない。 そこで、P型及びN型知り恩の単結晶の接合の、加圧・加熱して接合する拡散接合法を適用した。その接合条件因子(接合温度、雰囲気及び表面処理)の接合部への影響を電気抵抗と整流特性の観点から検討し、P-N接合部の形成の指針を得ることを目的とした。 P型(Bドープ)N型(Sbドープ)のCZ-Si単結晶から、接合面が{100}となるように試料(10×10×25mm)を切り出した。接合面をダイヤモンド研磨後、酸化被膜の厚さを変えるため、HF処理、RCA処理、大気中加熱処理を行った。試料を突き合わせ、大気中、真空中(10-3Pa)で、各温度に25MPa,30min、加圧・加熱して接合した。 各種の雰囲気、表面処理剤でP-P,N-N,P-Nの拡散接合を行った結果、いずれの場合も接合温度が800℃異常で接合した。P-Nの拡散接合部の整流特性は、大気中加熱処理、RCA処理、HF処理と酸化被膜が薄くなるほど整流特性が向上した。また真空中での接合部の整流特性は、大気中での接合部よりよい特性が得られ、接合温度の低下とともにその特性が向上した。拡散接合部の整流特性を向上のためには、表面被膜の薄いSiを用いて、低い接合温度で接合することが必要である。
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