研究概要 |
本研究では,元素粉末を原料とするRFプラズマ溶射により,チタンアルミナイド基生成複合皮膜を形成する.研究目的達成のため,先ず皮膜形成の要素過程〈溶滴の扁平・凝固・反応過程〉を解明し,溶射パラメータによて各要素過程の制御を可能とした後,要素過程制御に基づいて生成複合皮膜の構造制御および皮膜の良好な密着性を実現する.本研究において確立した要素技術を具体的に述べる: (1)溶滴の冷却・凝固過程を考慮した扁平化モデルの構築 ・TiおよびAlの各元素粉末を仮定して,溶滴の基材との衝突に伴う扁平化挙動の理論解析 (2)衝突粒子(スプラット)の扁平率と3次元形状の測定 ・スプラットの採取と元素粉末径の扁平率に及ぼす影響 ・溶射パラメータ(真空度,溶射距離,プラズマガス組成)の扁平率に及ぼす影響 ・原子間力顕微鏡によるスプラット3次元形状の測定 (3)スプラットの扁平率および3次元形状の制御 ・基材温度の上昇による扁平率の改善 (4)飛行溶滴およびスプラットの窒素吸収と窒化反応 ・Ti,Al元素粉末とTiAl化合物粉末スプラットへの窒素吸収と窒化物生成 ・粉末細粒化および溶射パラメータによる飛行中および基材上における窒化反応の促進 ・基材温度上昇による扁平率改善が基材上の窒化反応促進に及ぼす影響 (5)基材上におけるアルミナイド生成反応 ・熱分析によるアルミナイド生成発熱反応の開始温度と発熱量測定 ・基材温度上昇によるアルミナイド生成反応の促進
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