研究概要 |
溶滴の扁平・凝固・反応過程の解明と制御(基材温度,超音波振動)に関する要素技術を確立し,希望の皮膜構造を有する生成複合皮膜創製プロセスの実現を目的として研究を行い,平成10年度は以下の研究成果を得た: 1. 衝突粒子(スプラット)の扁平率と3次元形状の測定 (1) シャッター系の短時間開放による基材上のスプラット観察 (2) 元素粉末粒径(dp)の扁平率(D/d)に及ぼす影響:dpの増加に伴いD/dは増加する (3) プラズマガス組成の扁平率に及ぼす影響:プラズマがス中へのN2混合量増加に伴いD/dは減少する (4) 原子間力顕微鏡によるスプラット3次元形状の測定 (5) 基材温度(Ts)の上昇による扁平率の減少と増加:Tsの上昇に伴いD/dは減少し,更にTsが上昇すると増加する 2. 飛行溶滴およびスプラットの窒素吸収と窒化反応 (1) Ti,Al元素粉末とTiAl化合物粉末スプラットへの窒素吸収と窒化物生成:飛行中にN2を吸収する (2) 粉末細粒化およびN2混合量の上昇による窒化反応の促進:窒化物生成量が増加する 3. 基材上におけるアルミナイド生成反応 (1) 熱分析によるアルミナイド生成発熱反応の開始温度と発熱量測定 (2) 基材温度上昇によるアルミナイド生成反応の促進:皮膜構造が均一安定化する 4. 基材の超音波によるスプラットの形状制御 (1) 濡れ性改善のもたらす扁平率および3次元形状への影響:超音波振動によりD/dは増加する最終の次年度は,要素過程の制御技術(超音波振動,基材温度)を確立し,反応性RFプラズマ溶射による生成複合皮膜の創製プロセスを実現する.
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