研究課題/領域番号 |
09450281
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
新井 邦夫 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10005457)
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研究分担者 |
阿尻 雅文 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60182995)
LEE Jr. Smit 東北大学, 工学部, 助教授 (60261583)
猪股 宏 東北大学, 工学部, 教授 (10168479)
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キーワード | 超臨界水 / 部分酸化 / メタノール / シフト反応 / ナフタレン / 水素化 / 触媒 |
研究概要 |
超臨界水を反応溶媒とした重質油の部分酸化・Water-Gas Shift(WGS)反応(CO+H_2O→CO_2+H_2)を介した一段での水素発生+重質油水添改質プロセスの開発を進めている。本研究ではそのための基礎研究を行なった。 1)O_2による部分酸化条件の検討 流通式反応装置を用い、温度400℃での超臨界水中でメタノールの部分酸化反応実験を行ない、CO生成選択性に及ぼす滞在時間、水密度の影響について検討を行なったところ、滞在時間が短いほど、また水密度が大きいほどCO生成選択性が大きくなった。(水密度0.35g/cc、反応時間5.7sで最大60%) 2)Water-Gas Shift反応速度の測定 高圧COの導入が可能である流通式装置を作成し、温度380〜440℃、圧力10〜30MPaの超臨界水中でWGS反応速度の測定を行なった。その結果、水の臨界点近傍において反応速度が特異的に変化することと、水密度の増大に伴い反応速度が若干増大することが明らかとなった。 3)COの導入による触媒水素化反応に関する解析 回分式装置によって温度400℃の超臨界水中でナフタレンの触媒水素化反応を行ない、本反応に及ぼすWGS反応の寄与について検討を行なった。超臨界水+H_2系の結果を超臨界水+CO系の結果と比較した。いずれの場合でも水素化生成物としてテトラリン、デカリンが得られており、水素化反応が進行していることがわかり、しかも超臨界水+CO系の方が高い水素化活性を示した。また、超臨界水+H_2+CO_2系でも超臨界水+H_2系に比べ高い水素化活性が得られ、WGS反応を介すことで触媒上での解離水素濃度が高められていることが推察され、以上のことから本プロセスの妥当性が示された。
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