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1998 年度 実績報告書

ナノイオンビームによる最先端工業材料の三次元分析法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09450308
研究機関東京大学

研究代表者

尾張 真則  東京大学, 環境安全研究センター, 助教授 (70160950)

研究分担者 坂本 哲夫  東京大学, 生産技術研究所, 助手
キーワード収束イオンビーム / パルス / 飛行時間型質量分析 / シミュレーション / オージェ電子 / 元素マッピング / イオン励起 / 三次元分析
研究概要

1. 三次元分析法の高精度化
収束イオンビームの軌道シミュレーションを行うことにより、収束性を維持しつつ時間幅の短いパルスを発生させるための条件を検討した。その結果、コンデンサーレンズによるビームのクロスオーバーをパルス化用ブランキング電極の中央に位置させること、ブランキングアパチャー孔をビームが通過するときのビームの移動方向を一定とすることの2点により短パルス収束イオンビームを実現できることを明らかとした。また、実用条件下ではパルス幅はブランキング電極電圧の変化速度には依存せず、電圧の変化幅に支配されることが示され、電源電圧を高くすることが必要である一方、動作帯域を極端に広げる必要はないことがわかった。この検討に基づき、ブランキング電極の制御電源を改良するとともに、飛行時間型二次イオン質量分析器との同期関係を制御するハードウェア、ソフトウェアを試作した。試作装置では大電流モードで40ns、小電流モードで8.5nsのパルス幅が達成され、シミュレーションによる予想値とほぼ一致した。質量分解能は大電流モードにおいて約300であり、整数質量数のイオンの識別には十分であることがわかった。小電流モードでの質量分解能は期待されるほどは向上せず、二次イオン光学系における収差に支配されていると考えられた。
2. イオン励起オージェ電子放出の分析的応用
イオン励起オージェ電子スペクトルは通常の電子励起スペクトルと比較してピーク幅が狭い、バックグラウンドが低いなどの特徴を有している。この特徴は検出電子数が少ない条件でも信号対雑音比が大きくできる点で有利である。このことを利用して、1分析点当たりの時間を短くし、多数の点を分析する必要がある元素マッピングに適用した結果、高温で質の高い元素分布像を取得できることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] T.Sakamoto: "Development of an ion and electron and focused beam apparatus for three-dimensignal microanalysis" Jpn.J.Appl.Phys.37. 2051-2056 (1998)

  • [文献書誌] 坂本哲夫: "イオン・電子デュアル収束ビームを用いる三次元局所分析法の開発" 分析化学. 47. 313-317 (1998)

  • [文献書誌] 程 朝暉: "ガリウム収束イオンビーム励起オージェ電子を用いる微小領域の元素マッピング" 分析化学. 47. 321-327 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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