研究課題/領域番号 |
09450310
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
今坂 藤太郎 九州大学, 工学部, 教授 (30127980)
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研究分担者 |
平川 靖之 九州大学, 工学部, 助手 (80238344)
金田 隆 九州大学, 工学部, 助教授 (20243909)
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キーワード | 光クロマトグラフィー / レーザートラッピング / 輻射圧 / レーザー / 分離 / イムノアッセイ / 微生物 / 精子 |
研究概要 |
オプティカルクロマトグラフィーを用いる新しい微粒子の粒径測定法、抗原抗体反応の反応速度測定法、並びに精子の運動能力測定法を開発した。本研究により得られた成果は、以下の通りである。 (1)新しい微粒子の粒径測定:オプティカルクロマトグラフィーでは、焦点から保持位置までの距離を測定することにより、微粒子の直径を決定できる。しかしながら、この方法では、焦点の位置の不正確さが粒径に大きな誤差を与える。そこで、レーザー出力を変動させ、微粒子が流出したときの出力からその粒径を測定する新しい粒径測定法を開発した。本手法により生ずる誤差は、レーザー出力と媒体の流速の安定性のみに依存し、より高精度な粒径測定が可能であった。 (2)抗原抗体反応の反応速度測定:抗体を被覆した微粒子をセル内に保持させた後、抗原を流し、セル内で抗原抗体反応を行わせた。このとき、反応の進行に伴って抗体被覆微粒子が会合し、単一の微粒子群から飛び出す現象が見られた。このとき、会合微粒子が飛び出す時間は溶液中の抗原濃度に依存するので、その時間から抗原の濃度を見積もることができた。一方、会合粒子は飛び出した後、その保持位置に停止するが、再び解離して未反応粒子の保持位置まで戻ることを確認した。この結果より、本手法が抗原抗体反応の解離反応速度を測定できる画期的な方法であることを示した。 (3)精子の運動能力の測定:牛精子を含む緩衝溶液を細管内に落差法により流し、この逆方向からレーザーを同軸上に集光して入射した。このとき、精子はレーザー光軸内に引き込まれるが、精子自身が持つ力により、光軸から逃れることができる。レーザーが精子を引さ込む力は焦点に近い位置で大きいので、精子がレーザー光軸から逃避した位置を測定することにより、精子が持つ力を決定できる。溶液のpHや塩濃度が精子の運動能力に与える影響について検討し、本手法の有用性を明らかにした。
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