研究課題/領域番号 |
09450310
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
今坂 藤太郎 九州大学, 工学部, 教授 (30127980)
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研究分担者 |
平川 靖之 九州大学, 工学部, 助手 (80238344)
金田 隆 九州大学, 工学部, 助教授 (20243909)
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キーワード | 光クロマトグラフィー / レーザートラッピング / 輻射圧 / レーザー / 分離 / 赤血球 / リポソーム / 変形能 |
研究概要 |
光クロマトグラフィーによるリポソームの保持挙動について検討するとともに、赤血球の変形能の測定に応用した。 (1) リポソームの保持挙動の解析:リポソームは脂質二分子膜からなる小胞体であり、生体細胞のモデルとして利用されるものである。リポソームに働く輻射圧の影響、すなわち小胞体によるレーザー光の輻射圧への変換効率について検討を行ったところ、リポソームの変換効率はその形状、大きさに依存するが、平均値は約0.02であった。この値はポリスチレンビーズの変換効率(0.117)と比較して小さな値である。これはリポソームが膜からなる球体であり、内部が緩衝溶液で満たされていることに起因するものと考えられる。すなわち、生体細胞においても変換効率はポリスチレンビーズの場合よりも小さく、その保持には大きなレーザー出力が必要であることが予想される。 (2) 赤血球の変形能の測定への応用:赤血球は円盤状の細胞であり、自己の径よりも小さな毛細血管を変形しながら円滑かつ速やかに通過することができる。すなわち赤血球の変形能は血液の円滑な循環にとって重要な因子である。そこで、光クロマトグラフィーを赤血球の変形能の測定に応用した。赤血球はレーザー光により保持された後、輻射圧により変形し、再び流れ出す現象が見出された。そこで赤血球が変形した状態での伸張度(長さと幅の比)を変形能の指標として用いたところ、密度分布分離により得られたyoung cellとold cellに対してそれぞれ2.4、2.1という値であった。このことから、本手法は赤血球の変形能の評価法として利用できることがわかった。さらに本手法は変形能の違いによる分取が可能であり、細胞研究のための細胞分別に応用できるものと考えられる。
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