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1998 年度 実績報告書

光生体反応の理論的解明

研究課題

研究課題/領域番号 09450314
研究機関東京大学

研究代表者

平尾 公彦  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70093169)

研究分担者 武次 徹也  東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (90280932)
中野 晴之  東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (90251363)
キーワードMultireference Moeller-Plesset法 / 励起状態 / ポリアセン / ポルフィリン / O-バンド / 分子積分 / 密度汎関数法 / RESC相対論理論
研究概要

本研究を通してMultireference Moeller-Plesset法を実用的に確立し、これまでabinitio分子軌道法では取り扱うことが困難であった大きな分子系の励起状態を高い精度でしかも比較的簡単に計算できることを明らかにした.
ベンゼンからテトラセンまでの〓-〓^*励起状態に計算し、理論計算の精度を確認するとともに、これまで議論のあったスペクトルを同定し、ポリアセンの励起状態の一般的傾向を明らかにした。また、Pairing Propertyにより、励起状態を共有結合型とイオン結合型に分類し、2つのタイプの励起状態ではその性質が異なり,電子相関効果も大きく異なることを示すとともに、遷移モーメントの出現機構を理論的に解明した.これを利用してポルフェリン(フリーベース、金属ポルフェリン)の可視部から近紫外部に現れる弱い吸収強度のQ-バンドの理論的研究を行った。ポルフェリン電子横造を解析し、ポルフェリン骨格がナフタセンと類似の交互炭化水素系であること、Pairing PropertiesからQ-バンドの吸収強度が弱いのはPseudoparity禁制のためであること、Q-バンドの強度を強くするにはPseudoparity対称性を破ればよいことを明らかにした。この理論的解析に基づき、ポルフェリン骨格への化学的修飾(ピロールの還元、アゾ化、ポルフェリンの中心に金属の導入など)を利用してPseudoparity対称性を破り、Q-バンドの吸収波長や吸収強度がいかにして制御できるかを理論的に予測した。現在、レチナール等の励起状態の研究を継続中である。
その他に、分子積分の新しいアルゴリズムを開発し、プログラムを作成した。このアルゴリズムは現在、世界最速である。また、密度汎関数法の新しい相関汎関数(OP)を提唱した。OPはただ1つのパラメータを含む簡単な形にも拘わらず、厳密な相関汎関数の満たすべき条件全て満足する汎関数であり、数値的にもこれまで提唱されている汎関数の制度を凌ぐものである。さらに、重原子を含む系を取り扱うために、新しい相対理論、RESCを提唱した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T.Hashimoto: "Theoretical study of the Q and B bands of free-base, magnesium, and zine porphyrins, and their derivatives" J.Phys.Chem.(in press). (1998)

  • [文献書誌] Y.Kawashima: "Theoretical study of the valence π-π^* excited states of polyacenes" Theor.Chem.Accounts (Prof.Fukui Memorial Issue). (in press). (1998)

  • [文献書誌] Yoong-Kee Choe: "Theoretical study of the electronic ground state of Iron (II) Porphine" Chem.Phys.Lett.295. 380-388 (1998)

  • [文献書誌] T.Hashimoto: "Theoretical study of valence and Rydberg excited states of benzene revisited" Theochem (Huzinaga Special Issue). 451. 25-33 (1998)

  • [文献書誌] Masato Yamanishi: "Theoretical Study of the Low-lying Electronic States of XeO and XeS" J.Chem.Phys.108. 1514-1521 (1998)

  • [文献書誌] K.Nakayama: "Theoretical study of the π-π^* excited states of linear polyenes" Intern.J.Quantumn Chem.66. 157-175 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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